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沢村凛「スケジュール」

主人公、ごくごく普通の20代OL。
唯一の特技は、立てたスケジュールをその通りにこなせること。

・・・あ、最近読んだ短編小説のお話です。

同僚OLに“ジューラー”(スケジュールマニア)と揶揄もされたりしますが、この彼女、計画を苦無く守れるのは大人になって始まったことではないんです。教育でも躾でもなく努力でもなく、それは幼い時から。

3才ながら貰った12個のチョコレートは日曜日を除く毎日一個づつ食べて2週間持たせて食べ切るし、夏休みの宿題も毎年8月24日にきっちり終わらせて何もしなくていい7日間の残りを楽しみます。
難しいことでもない、ごく当たり前のことに思えるけれどある時に、これは自分の特技であることに気が付きます。でも感心されるより煙たがられる類のものだと思って自ら自慢することはしません。

趣味もしくは癖のように受け取られ正当に評価されることが少ない特技を一度だけ、小5の時に担任から褒められます。
「他のことがダメでもだいじょうぶ。たった一つ取り柄があれば人生大丈夫、充分なんだ。」
子供心に、この言葉がすとんと素直に心に響きました。それからずっと彼女の胸の奥底で涸れない泉のように湛えられてきたのでした。

心が悲しいときにも、心の隙間風に凍える思いのときにも、足元をすくわれた気がしたときにも、自分が無価値、無意味な人間に思えたときにも、心の奥底にあるこのひみつの泉だけは、嵐や吹雪やひでりや砂漠化から守られていつも変わらずそこにあり、悪天候がおさまったあとに自分の心を立て直してくれる礎(いしずえ)となりました。

「アイデンティティ」
自分が自分と思えるための、核になるもので、船のバランサーのようにどんなに波にもまれても、自分を自分として保たせてくれるもの。
同僚の飲み仲間にそう言われ、気が付くのでした
アイ、イデン、アイデンティティ
アイデンティティには〈愛〉と〈遺伝〉が含まれている。

====================
新潮社 文庫本「最後の恋」に収められている
沢村凛さん「スケジュール」より
「最後の恋」には8人の作家の短編恋愛小説が収録されています。


8人の作家さんの中に好きな作家さん、興味ある作家さんが名を連ねていて、そして短編集だったので手に取ってみました。
「スケジュール」は、本のサブタイトル−−つまり、自分史上最高の恋−−にもうまくなぞらえられていて物語としても面白かったし、泉、アイデンティティの部分のことばの美しさにもわかりやすさにも惹かれるものがありました。
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コメント
12629:管理人のみ閲覧できます by on 2016/12/26 at 22:45:46

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12630:管理人のみ閲覧できます by on 2016/12/26 at 23:21:30

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12633:安心感o+゚ by ☆kaori on 2016/12/27 at 06:35:44 (コメント編集)

うえことさん、皆さん、こんにちは。

うえことさんの読まれた小説♪´
自分の心を立て直してくれる〜
生きている毎日の流れに、これさえあれば
何が起きても揺らぐことのない支えが
心の宝*★*ありがとうございました'''''

FCにファンミCM映像が公開されています。
そして、ジソブさん俳優デビュー20周年記念商品を
1月中にお知らせ予定だそうで、
新年のお年玉が楽しみΣ>―夢 ♡

プロフィール

うえこと

Author:うえこと
職業:主婦。
興味:韓国ドラマ・映画の鑑賞、カメラ、植物、切り絵
贔屓:ソ・ジソブさん、コン・ユさん、元B2ST、中村倫也君

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